量子力学を学習するべき理由(意義)  2004.5.6現在


1.量子力学は現代物理学の理論的支柱のひとつであり、   
  科学の他の分野においても、ますます重要になっていること。 
   量子化学、物理化学、量子生物学など。

  「ずばぬけて成功した理論であり、現代科学と技術のほとんどすべての
    根底にはこの理論がある。この理論は、テレビやコンピューターのよう
    な電子装置に不可欠の部品であるトランジスターや集積回路のふるまい
     を支配しており、また現代の化学と生物学の基礎でもある。物理科学の
     中で量子力学がまだ適切に取り入れられていない領域は、重力と宇宙
     の大局的構造の分野だけである。」
    (S. ホーキング)


2. 量子力学の工学技術への応用は、   
  半導体、量子デバイス、量子ドット、金属材料の量子合金設計、
 材料科学技術における第一原理分子動力学など徐々に広まり
 つつあり、その重要性は着実に増大していること。


参考書

  (ハイテクと量子力学の関係についての解説書)
    M.Y.ハン「ミクロの世界の主役たち-ハイテクにひそむ量子を探る-」
           (マグロウヒル社、1991年) 九工大図書館蔵(図書分類番号:429.1,H-35)

     日本物理学会編「量子力学と新技術」(培風館、1987年)
       九工大図書館蔵(図書分類番号:429.1, N-16)   

     川添良幸、三上益広、大野かおる
        「物質科学ー分子動力学とモンテカルロ法ー」、共立出版、1996年

      足立裕彦、森永正彦、那須三郎
         「金属材料の量子化学と量子合金設計」、三共出版、

     足立裕彦「量子材料化学入門」、三共出版、

     藤永 茂 ,「入門分子軌道法ー分子計算を手がける前にー」 ,
          講談社サイエンティフィック社

3. 量子論 (=量子力学、場の量子論、量子論理)は
   古典物理(=古典力学、電磁気学)や局所実在論の破綻する領域
   (現象) においても正しい普遍的な理論体系であること。  

 
  また、この意味で.
  自分が考えていることの基礎の曖昧(あいまい)なることを批判的に

  見つめる精神的な強さを養う場 として量子力学はその最たるものと
  いえる.
 (佐藤文隆「量子力学のイデオロギー」)

      参考書
    3.1)佐藤文隆「量子力学のイデオロギー」(青土社、1997年)
       九工大図書館蔵(図書分類番号:429.1,S-36)

       3.2)清水 明「量子論の基礎ーその本質のやさしい理解のためにー」  
     (サイエンス社 、2003年)  
       九工大図書館蔵(図書分類番号:429.1,S-54) 

      3.3)並木美喜雄「量子力学入門-現代科学のミステリー-」
               (岩波新書、1992年)
      九工大図書館蔵(図書分類番号:081,I-2-4,210または429.1, N-22)

    3.4)町田 茂「量子力学の反乱」(学習研究社、1994年)
      九工大図書館蔵(図書分類番号:429.1,M-37)

    3.5)町田 茂「量子論の新段階」(丸善、1986年)
      九工大図書館蔵(図書分類番号:429.1,M-31)