アイザック・ニュートン(卿) Sir Isaac Newton (1642-1727)、
英国の物理学者、数学者で、歴史上最も輝かしい科学者の一人である。
彼は30歳前に
1)力学の基礎的概念および法則を定式化し、
2)万有引力の法則を 発見し、
3)微分積分の方法を考案した。
ニュートンは彼の理論の結果として、 惑星の運動、潮汐、その他、月と
地球の運動の特徴を多数説明することが できた。
彼はまた光の性質に関する基本的な多数の観測結果に(光=粒子説の
立場 から)解釈を与えた。彼が残した、物理理論の成果は2世紀にわたり
科学 思想を支配した。
その後、20世紀になり、対象とする物体の運動が光速に近い場合には、 アイ
ンシュタインの特殊相対性理論が正しい理論であること、そして原子 以下の
ミクロな世界では量子力学が正しい理論であること、そして重力が 強い場合
には一般相対性理論がより正しい理論であることが判明して、 ニュートンの
理論体系には限界があることが明らかになった。
しかし、物体の運動が光速より十分遅く、巨視的な現象で、重力が十分弱 い
場合には現在でも基本的に正しい理論で十分高い精度で成立している。
参考文献
島尾永康「ニュートン」、岩波新書
島尾永康「 物質理論の探求:ニュートンからドールトンまで」、岩波新書
遠山啓「コペルニクスからニュートンまで 」、太郎次郎社, 1985
渡辺正雄「ニュートンの光と影」、共立出版, 1983
ゲッセン,ベー・エム「ニュートン力学の形成:『プリンキピア』の社会的
経済的根源(叢書ウニベルシタス). (秋間 実). 法政大学出版局, 1987.