原子力概論 最終更新期日:2017.12.13

 九州工大工学部 第34年次 後学期 選択 2単位

担当(非常勤講師) 岡本 良治

1.目的
 
原子力は核兵器、原子力発電、医療用、非破壊検査など多くの分野で利用されている。
しかし、近年は原子力発電をめぐる問題は、事故の危険性、エネルギー資源の選択、
地球環境問題などと関連して社会問題化している。本講義の目的は原子力(核エネル
ギー)をめぐる基本的事実と諸問題を、理工系学部の学生として科学的に判断できる
ように、原子核と放射線についての基礎的知識と論点を教授することである。

2.授業関連通知(レポート、試験実施要領等)

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授業を欠席する学生諸君への注意喚起 

 工学部学修規則第112項「科目の履修には,原則としてその授業時間数の3分の2以上

 出席しなければならない」

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HPの利用法:各章の要約→例題→詳しい解説(*印ファイル)

予習・復習など学習の仕方についてのアドバイス:

1) まずは大まかに捉えるべし

2) きちんと手順を踏んで覚えるべし

3) 何度も失敗を繰り返し覚えるべし

    (池谷裕二「記憶力を強くする」講談社、ブルーバックス、2001. P.139.より)

通知;質問は,学習支援室@図書館1階中央付近,岡本良治担当(毎週水曜日,13:00−17:00)でも可能.

     http://www.tobata.kyutech.ac.jp/jimu/gakusyushien/index

---レポート課題------------------------------

レポート課題については各回の問題用紙(A4版)の1枚目上部に必要事項を記入し,問題文の直後に解答を書き始め,

その用紙の裏も使い,必要ならばA4版レポート用紙も追加し,2枚以上になる場合,上部左端をホチキスで閉じること.

(この様式に従わない場合,それぞれ減点対象となる.)

レポート課題(No.1 2017.1027出題. 111日または8日に提出すること.

レポート課題(No.2 2017.1124出題. 126日に提出すること.

 

----試験-----------------

中間試験の実施要領 2017.127新規

 

3.授業用の参考資料
1)
はじめに

説明(要点): 自然における原子核現象と社会における原子力・核問題 

物理定数 
2)
原子分子の世界
要点:原子分子
 

少し詳しい解説:原子,分子とそれらの集合体 
例題:原子と原子核の比較、関係
例題:電気力と重力の比較(原子内には強い電気力が働いていること)
題:原子の大きさ、単位体積あたりの個数
 

3)
原子核の基本的性質

要点:原子核の不思議 

核図表(理化学研究所HPよりダウンロード可能) 

少し詳しい解説: 原子核の基本的性質とその不思議さ  
2核子系の不思議
核力と核構造
核子あたりの結合エネルギーの質量数依存性と核図表       
参考:原子核の中に電子は束縛できるか

例題:原子核における速度と反応時間 

例題:α粒子の結合エネルギーと光分解 
例題:重陽子とウラン235核の結合エネルギー、質量欠損
 

例題:C-12核の陽子、中性子の分離エネルギー 

例題:結合エネルギーの半経験公式 


4)
放射性崩壊

要約:放射性崩壊 2017.12.13(半減期の定義について加筆)

少し詳しい解説:放射性崩壊 2017.12.13(半減期の定義について加筆)

例題:三重水素(トリチウム)のベータ崩壊 

例題:ラジウム226のアルファ崩壊 
例題:210Poと226Raの放射能毒性の比較              
例題:体内のK40の放射能の強さ
 

例題:崩壊熱とは何か 

例題:Pu-239の崩壊熱の計算例 

例題:オクロ鉱山の天然原子炉の時期推定 

例題:比放射能の計算例1
題:崩壊系列 (ウラン238核の半減期は約45億年) 
 


5)
原子核反応

少し詳しい解説:原子核反応  
反応の断面積(図)

例題:ホウ素による熱中性子吸収反応

例題:中性子の減速 

例題:反応率の計算 

例題:ウラン235に対する熱中性子の平均自由行程 

例題:鉄に対するニュートリーノの平均自由行程
参考:ニュートリノは体内を毎秒1兆個以上も貫通するって本当? 

参考:空気中における高速中性子の平均自由行程 

6)
放射線と物質の相互作用
要約:放射線と物質の相互作用
 

少し詳しい解説:放射線と物質の相互作用  2017.12.5加筆修正 
例題:コンプトン散乱
例題:ガンマ線(X線)の鉛による減衰
 

例題:ガンマ線(X線)のコンクリートと水による減衰 

例題:中性子数のカドミウムによる減弱 

例題:放射線測定装置における信号増幅

7)放射線の利用と防護 

解説:放射線の生物への影響と防護・緩和 

 放射線の種類による透過率の違いと遮蔽(しゃへい)法(図)
例題:放射線の影響 
参考:生体内の化学物質の放射性同位元素の追跡結果の意味すること


参考文献

8)核分裂とその連鎖反応
要約:核分裂とその連鎖反応 

詳しい解説:核分裂とその連鎖反応 
核分裂と解放されるエネルギー、核分裂生成物(図)
核分裂連鎖反応と臨界条件(図)

例題:核分裂1 

例題:核分裂2 

例題:核分裂によるエネルギーと電気的斥力エネルギー

例題:核分裂という要素的過程と巨視的現象の間 


9)
原子炉の構造と仕組み
解説(要点)原子炉の構造と仕組み 2017.1.12更新  
例題:熱中性子炉における減速材
  
例題:原子炉におけるウラン235の燃焼量
 

例題;原子炉の二つの働きなど 

例題:原子炉2(燃焼度)

例題:原子炉3(燃焼度)

問:原子炉の中に使われている水の,通常運転時や事故の際の3つの役割

について説明せよ.

問:原発で発生する熱エネルギーについて次の問に答えよ.

1)核分裂により発生するエネルギーを簡単に説明せよ.

2)崩壊熱とは何か説明せよ.

3)通常の運転時に発生する熱エネルギーの中で核分裂,崩壊熱による割合を記せ.

問:なぜ日本の原発は海岸に立地され,欧米の原発は内陸に立地されているのか,

説明せよ.

問:燃料被覆材の目的と性質,事故の際に重要な点を理由をつけて述べよ,

問:原発の熱効率を火力発電と比較して,関連事項を含めて説明せよ.


10)福島第一原発事故とその現状と今後
 

例題:セシウム137の1グラムによる放射能の強さ

例題:セシウム137の放射能の強さが100ベクレルに相当する質量 

例題:福島第一原発事故で放出されたセシウム137の放射能の強さに相当する質量 

例題:原発に外部電源,非常用電源が必要な理由とそれらを喪失した場合の影響 

例題:福島第一原発事故の際,窒素ガスやホウ酸水を混入させた理由 

 

1) 使用済燃料と高レベル放射性廃棄物問題 

要点:使用済燃料と高レベル放射性廃棄物問題 

例題:使用済み核燃料1 

例題:使用済み核燃料2 

例題:高レベル放射性廃棄物 


12)
核融合入門

要点:核融合入門

詳しい解説:核融合入門 

お勧めの動画

元素誕生の謎にせまる(増補版)(34分版)

http://www.riken.jp/r-navi/video/research.html

理化学研究所 2002年制作 34

例題:DT反応の反応熱(Q値) 
例題:DD核融合反応におけるクーロン障壁と熱平衡温度
 

例題:太陽で発生するエネルギー 
例題:太陽の寿命の推定
 


13)
核兵器の原理・構造・効果
要点::核兵器の原理と効果,核戦争の影響
 

解説:核兵器
図:ブースター原理(核融合物質の添加による核分裂効果の促進)  
例題:核兵器使用の物理的効果
 

広島原爆、長崎原爆(模型)
http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/owa/dict_src?opt=1&dic_no=1722&synon_no=01

3.評価方法
中間試験(30%)、期末試験(40%)、レポート(30%)という割合で評価する。 

4.履修上の注意事項

基礎学力として物理学I、物理学UA・UBを履修しておくことが望ましい。
統計力学、量子力学も履修していれば、本講義の理解はより深まると思われる。
原子力(核)問題については、新聞、雑誌等に数多く学習材料が現れるので、
これらのことに自主的に関心をもち、資料を収集分析することが望まれる。なお、
関連する専門学科の諸科目にもしばしば関係する話題ができると思われるので、
相互の関連性も意識的に考えておくことが望ましい。
 
5.教科書・参考書(教科書1、参考書25の予定)